次男の『大事』が我が家の一大事

次男が生まれた2013年、あのときの我が家には大きなエピソードがある。生まれてきた時は分娩も異常はなかった。けれど出産直後の次男との対面時に、次男の足に違和感を覚えた。

「内反足じゃない……?」

と私は夫や母に伝えた。夫たちから見ても足に特徴的な印象を抱いたようだった。先生には、1ヵ月検診の時期まで待てと言われた。しかし、指示をふりきって生後10日で小児整形外科へ、次男を連れていった。

紹介状もなく門前払いで帰ろうとし次男を抱いていた私と腕の中の次男に白衣の医師が近づいてきた。「あら〜かわいい赤ちゃんだね〜どうしたのかな?」足を診るなり触りながら「今受付に伝えておくね〜レントゲン撮ろうかっ」と。そのすくい上げてくれた一言に泣き崩れそうになりながら感謝の気持ちで胸が苦しかったのを、覚えている。

それが今も診察日に会える主治医とのファーストコンタクト。

レントゲンの結果、両足先天性内反足と診断された。千人に一人の先天的な疾患だった。原因は不明。その日のうちにだいたい部まで両足ともギプス固定。週一でギプスの巻き直しに行き、毎日の沐浴は、私の膝の上に仰向けで寝かせ次男の頭を支えながら、ガーゼハンカチを2枚腹に敷いて、シャワーヘッドをハンカチにピッタリと水はねのないようにしてシャワーをかけ、ギプスはどちらかというと、足上げのようにやや斜め上にし、水が滴らないようにして、頭と胴体を洗っていた。可愛らしく愛おしい存在だった。 

次男は、五体満足だけど、先天性疾患を抱えることになったけれども、誕生してから今まで主治医には感謝以外のなにものもない。

何もかもが奇跡で、当たり前じゃないことは次男の誕生を機に、深い感慨とともに改めて実感した。

手術は生後2ヵ月目と、4ヵ月目に2度、通常より短いアキレス腱を一旦切り、自然に再建するまで、またギプス固定する。1度目に理想の足首にならず、次男の場合は医師の判断により手術は2回施行(両側アキレス腱再建術)された。

もし、アキレス腱が極度に短いとつま先立ち歩きが目立つようになる。だから赤ちゃんから少しずつ構成される足の骨の中の、しょうこつ(かかとの骨)の前側がきょこつ(しょうこつと足くびの間にある骨)の下にもぐりこんだ状態を改善するためにはアキレス腱を切ることで少しでも骨が正しい位置にくるように手術をする。

その後、デニスブラウン装具という先天的な足の障害を持つ方用の矯正補助具を一日中しながら足の成長に合わせて装具を作り直し、装具固定する日々を送っていた。