梅雨の間に
樹間をとおして淡い光が
濡れた山道にはかな気にただよう
梅雨のあい間のつかの間の天気
遠くの山も紫色にかすんでいる
山の斜面に大いなる木の立ちて
ほこらかに他を圧し枝をのばす
だがそのそばに見よ!
それにも負けぬ大いなる木の朽ちいて──
我が心の中を示すがごとく
無様に虫食われたぼろぼろの身をさらす
数百年を耐えたる後に見よ、あの様だ
突然鶯がケケケケケケ・ケキョ・ケキョと鋭く鳴く
彼の女からの便りは未だ無い
あの一夜は何だったのだろう──
樹間をとおして淡い光が
濡れた山道にはかな気にただよう
梅雨のあい間のつかの間の天気
遠くの山も紫色にかすんでいる
山の斜面に大いなる木の立ちて
ほこらかに他を圧し枝をのばす
だがそのそばに見よ!
それにも負けぬ大いなる木の朽ちいて──
我が心の中を示すがごとく
無様に虫食われたぼろぼろの身をさらす
数百年を耐えたる後に見よ、あの様だ
突然鶯がケケケケケケ・ケキョ・ケキョと鋭く鳴く
彼の女からの便りは未だ無い
あの一夜は何だったのだろう──