リディアは日本の文化に慣れるのがなかなか難しかった。日本での生活に慣れるまではと、校長先生の家にホームステイすることとなったのであるが、通勤のバスも、これまではバスが来たら手をあげれば乗ることができたが、日本では標識のある停留所というバス・ストップでしか乗れない。
すぐ横を通るのに、交差点で止まっているのに、乗せてくれない。そもそもそれが理解できない。目の前に乗せてと言っている人がいて、どうして乗せてくれないのか。外国人だから差別しているのか、とも思う。
また、停留所にはいろんなバスが来るから、ちゃんと行先を確かめないといけない。でも漢字だし、読めないから分からない。これは、番号で判別できることがあとで分かる。停留所の標識の下には時間が書いてあって、何分おきかには来るのも驚きであった。
自分の国では、一台来たら次に来るのは大分先になる。ただ、分刻みで正確と聞いていた割には、結構いい加減で、ちっとも時間通りに来ない。かと思ったら、来る時は何台もいっぺんに来るので、意味が分からなかった。
食事だって、順番に来るからおいしく食べられるのに、お腹がすいているのになかなか出てこなくて、と思ったらいっぺんに一つのお盆の上にたくさん出てきたらおいしく食べれないじゃないか、とわけの分からないことをつぶやくリディアであった。