移り行く──
風の絶えた夕刻、何も見えない
うっすらと茜色の空、何も来ない
萌黄色の葉が真緑に変わる間の
微妙なる季節に取り残されて立っている私
美しく変われるものならばそれもしよう
行く春に夢を取り上げられて
苦く歯を噛むばかり、何に期待できる?
花々は咲きほこっているばかり、何をかなえてくれる?
来る日の白々しさに慣れて来ていた
今日この頃を何故か波立たせて
舞い降りて来たあるものに心奪われたのだ
待ち続ける価値のあるものと
信じ続けて来たことに危惧を残して
萌えたつ緑から深い絶望の緑へと季節は移り行く