私の断食の体験

私はともかく断食が心を浄化し人間の霊性を高める行だということを教わり「よしやってみよう!」と思ったのでした。

沖先生の教える断食行は、断食中にも体を目一杯動かして、体内の毒素を排出させるという厳しい行です。沖先生は断食中に寝てばかりいるのは怠け者でそんな事では効果は少ないと言われていたのですが、沖ヨガの断食は嫌だなとも思いました。

色々調べ考えた末に奈良の信貴山に断食の専門道場があり、道場長の吉田修先生が当時あった断食連盟の会長をされていることを知り、ここにしようと思いました。パンフレットを取り寄せると断食で霊性が高められると書いてあります、見えない世界に対しての問題意識を高めていた私は早速申し込みをしました。

東京から大阪で乗り換え、王子の駅で下車。当時は信貴山までケーブルカーがありました(現在はありません)。道場は細い谷間にありました。2階建ての家屋が何軒か建っています。周りは鬱蒼とした山々です。受付で色々相談して21日間の断食行を行う事を決めました。かなり長期の行ですが、覚悟の行です。

減食に数日、本断食に約2週間(14 日)そしてあとは復食に当てます。あてがわれた部屋の横を小川が流れる離れの棟に一人で入室です。最初は玄米が出ますが量を徐々に減らしていき、その後は完全断食に入ります。

水だけの人、片栗粉をお湯で溶いたものを少し入れる人、レモン水を入れる人など体調によって吉田先生と相談して決めていきます。

吉田先生はひげを生やした仙人のような風貌の方でした。朝は、館内放送で起床し正座室での朝行が始まります、般若心経の読経から始まり祝詞奏上、静坐による呼吸法などが約30分間続きます。終わると清掃の時間で館内や庭などを皆で一緒に掃除します。

大体いつも十数名の入場者があり、当時はガンの病気の方や痩身目的の方など様々な目的で参加されていました。その後は散歩の時間で信貴山のお寺や近くのトックリ湖などを散歩するのですが、道場の周りの自然は豊かでした。

その後はお茶として食養で使う梅干しと三年番茶を合わせた滋養強壮の「梅醤番茶」を頂きます。人によってそれも飲まない方もいます。私は初めてなので飲んでいました。