【前回の記事を読む】街コンで出会った「エリート」のとんでもないセクハラ発言

青春した年:肥やしとなった男

彼の名は、ホタル。一緒にホタルを見に行ったことが印象に残っており、毎年ホタルが飛び交う時期になると彼のことを思い出します。彼とは、登山サークルで知り合いました。朝の集合時に彼と、後述する王子を見かけたとき、

「爽やかな二人組だなあ。今日、どこかで絶対に話しかけよう」

そう思っていました。二人と話す機会があり、下山後彼らを含めた数名で連絡先を交換し合い、解散しました。その後、彼が私と駐車場の方向が一緒とのことで、途中まで一緒に帰ることになりました。彼は三つ年下で、一人暮らし。家が近かったこともあり、すんなり

「飲みに行こう」

という話になります。正直、ルックスが好みだったのは断然王子で、彼のことは別に興味はなかったのですが、とにかく出会いがほしかった当時の私。とりあえず行ってみたのでした。そして、飲みの場で「手料理に飢えている」と言った彼。

「ん? これは、作ってくれということなのか?」

と思い、

「作りに行こうか?」

と私はあっさり言ってしまいます。そこから、週末彼の家に行き手料理を振る舞う、というパターンが数回続きました。この頃は彼に尽くすことで恋をしているという実感を得ていたし、頑張っている自分も好きだった。モチベーションも高まっていましたから、「ついに彼氏ができる」と盛り上がっていったのでした。「彼は若いけど、安心感がある」とも感じ始めていましたから。

一緒にホタルを見に行ったのもこの頃です。お互い、手をつなぎたいのにつなげない、みたいな感じがめっちゃドキドキしたなあ~~。次第に、後ろから抱きついてきたり、

「キスするまで帰しません」

と言ったり、彼からのアプローチが増えてきて、ドキドキしたし、気持ちがめちゃくちゃ盛り上がりました。

「私たちってどういう関係なん?」

と思い切って彼に聞いてみると、曖昧でよく分からなかった。一日デートの約束をし、その日に白黒ハッキリさせることにしました。水族館に行き、彼の方から手をつないできました。その後彼の家に行ったのですが、いつになく積極的な彼。

「関係がはっきりしてないから、これ以上は無理よ」

と私が言うと、

「幸せにするんで、付き合ってください」

と彼は言ってくれました。