REITは不動産ファンドの一種で「リート」と読み、「投資家の資金をもとに不動産を取得し、運用していく金融商品」である。
物流施設は、これまでの不動産投資ファンドとはまったく異なる性質をもっている。そのため、不動産投資ファンドの資産運用先を多様化する好材料とも見なされているのである。これだけ物流施設が大型化したのには複雑な事情があった。
1990年代までの我が国では倉庫業(営業倉庫)は厳しい規制に守られていた。倉庫業者の免許を取得することは容易ではなかった。港湾や地域的な業務規則、港湾荷役や労働者の権利保全などの特殊権益とさまざまな規制が存在していた。そのため新規参入は難しく、業界は安定していたものの、その活性化には限度があった。
しかしながら各種の制度改革により規制緩和が進むと状況は大きく変わってきた。
たとえば、たんに保管のスペースを提供するだけの「倉庫物件賃貸」は不動産業の一部門と位置付けられていた。管轄も運輸省ではなく、建設省であり、営業倉庫業とは一線を画していた。けれども、運輸省と建設省が一体化され、両者の管轄が国土交通省になったことなどから境界線があいまいになっていった。
すなわち倉庫業法における営業行為なのか不動産法によるスペース貸しなのか、はっきりと区別できないケースが増えてきたのである。