その後、鈴鹿市の公共職業安定所に就職の斡旋に相談に行ったところ、担当者から厳しい一言が……。

「通勤もトイレも一人でできないあなたに斡旋できる就職先はありません。お帰りください」

その頃の私は、勉強はできましたが生活面に関して一人でできることといえば、歯磨きとご飯を食べることぐらいでした。その他の生活の場面では、すべてにおいて親の介助が必要でした。着替えもトイレも就寝中の寝返りでさえもできない状態でした。

そんな状態では、就職はできませんよね。資格さえ取れば就職の道が開けると思っていた私は、世間の厳しい現実に直面したとき、自分の情けなさと悔しさでいっぱいになりました。そして、現実を目の当たりにして、自分が何をすればいいのかわからなくなり、しばらく悩み続けました。そのときは、何も手につかなかったです。

「何で私ばっかりこんな思いをするのか……」

自分の体を悔やみました。ハンディがあっても前向きに生きることを大切にしてきましたが、社会の現実が降りかかってきて、前向きな気持ちでいることが辛くなります。ハンディがあることで、毎日の生活のなかで、自分の思い通りにならないことがたくさん起きてきます。

しかし、いろいろ思いをめぐらしても、私はこの状況で生きていかなければいけません。思い悩んだあげく、そう一つの結論に達しました。

生きる目的を見つけるための教訓

「思い悩んだところで、現状を生きるしかない」

・ハンディがあってもなくても、自分の思い通りにならないのが世の中です。そこで大切なのはどう考えるかです。投げやりになっては前に進めません。