私が高校一年生の冬。

ある日、部活が終わったあとに部員と長らく話し込んでしまい、すっかり日が暮れて辺りは真っ暗になっていた。

部員たちは自転車通学だったので、学校の正門で別れ、私は徒歩で帰宅していた。寒かったし、夜になるとそれほど人通りもなかった。

あと五分ほどで自宅に着くかという時に、急に後ろから羽交い絞めにされ、公園に連れ込まれた。二人組の男たちだった。あとから判明したが、自宅近くに住む大学生と、その友人だった。そのあとは、想像するに難くないだろう。

暴行を受け、レイプされた。

幸い、私の叫び声を聞いた散歩中の人が駆けつけ、助けてくれた。警察官に勧められるがまま、念のため病院を受診させられたが、怪我自体は大したことがなく、警察での事情聴取が済んだらすぐに自宅へ帰れた。

しばらくして、二人組の犯人が逮捕され、同様の余罪が数件あったことも判明した。

両親は、私のことを心配してくれたが、その後少し精神的に不安定となった私に対して、腫れ物に触るような態度を取った。それが余計に私を苛立たせた。それもあって、実家は居心地が悪かった。

犯人の自宅が近くにあるのも嫌で仕方がなく、必ず遠くの大学に進学し、下宿することを強く心に決めていた。半ば執念で合格したといっても過言ではない。

両親も少し安堵したような様子だった。

【前回の記事を読む】「ゆっくり考えてくれればいいから!」久々の再開に恋展開...!?