雪の夜に

白い雪片が次から次に現れて来る

黒く深い闇の空の彼方から ──

街灯にてらされた限られた空間に

舞う、舞う、銀が舞う、華やかに ──

暗い街路には、わずかの間に積もった

踏むのが惜しいような純白の雪

汚れた都会を清め尽くす雪

疲れた人の心に残るような雪

そう、あれはいつの年の雪の日だったか?

あの(ひと)は酔った私を送ろうと言った

大丈夫、ちゃんと歩けると強がった私

今夜もあの(ひと)に逢って来た

だがあの(ひと)は私を送ろうとは言わない

流れ去った年月が微妙な差を生む ──

「 グレー服の女 」 ─油彩、F10─