雪の夜に
白い雪片が次から次に現れて来る
黒く深い闇の空の彼方から ──
街灯にてらされた限られた空間に
舞う、舞う、銀が舞う、華やかに ──
暗い街路には、わずかの間に積もった
踏むのが惜しいような純白の雪
汚れた都会を清め尽くす雪
疲れた人の心に残るような雪
そう、あれはいつの年の雪の日だったか?
あの女は酔った私を送ろうと言った
大丈夫、ちゃんと歩けると強がった私
今夜もあの女に逢って来た
だがあの女は私を送ろうとは言わない
流れ去った年月が微妙な差を生む ──