雨が降る
雨が降る、望みを無くした町に
びょうびょうと雨が降る
あるはわずかに残されたほこりと
絶えざるいらだちに
きりきりと痛む胸と
そして悲しみ
雪が降る、さびしさのひめたる町に
ただ音も無く雪が降る
あるは閉ざされた世界と
心かよわぬ女に
取り残された心と
そして苦しみ
若き日の晴れた日は
この町も望みにあふれ
精一杯力を尽くした
喜びの日々も過ごした
さきゆきのわからぬ
不安を残しながらも
霧が降る、悲しみも捨てた町に
ただただぼうっと霧が降る
あるは不確かな思い出と
爪痕も残せずに
去らんとする悔しさと
そして残照