ものさびしい夜に
打ち捨てられた夢を紡ぎつつ
ものさびしい夜に心をひたす
あざやかな朝の光を望みながら
暗い情念を繰り返すまいと ──
漆黒の闇に目をこらしつつ
その奥にあるものを掴まんと
仏僧の如く念じながら
息をつめて掬い取らんとしている
何の想いが許されよう
その空しい徒労になど ──
はるかな陰りにこそ触れさせ ──
ありあまる天と限りある時と
悲しいまでの美しさに気付いて
なすすべもなく手をこまぬいており ──
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「 髪バンドした黒衣の女 」 ─油彩、F10─