第1章 キアテック心体論
1 気のアートテクニック=キアテック
カイロプラクティックの定義
カイロプラクティックには「哲学、科学、芸術」という定義があります。カイロプラクティックの「哲学」とは、脊椎の各椎骨の亜脱臼を矯正して、どうして病気が治るのかを臨床によって研究をすることです。「科学」は脊椎を矯正する時期と矯正するポイントの研究、「芸術」は矯正する技術技能であると、私は記憶しています。
1895年にD・D・パーマー(1845-1913)がカイロプラクティックを創始し、1930年にB・J・パーマー(1882-1961)が提唱した上部頚椎治療が、カイロプラクティックの先生方にはバイブルのような定義としてよく知られています。イネイトインテリジェンス(自然治癒力)を高めてユニバーサルインテリジェンス(宇宙のフリーエネルギー)を喚起させる上部頚椎治療の素晴らしさも、頭蓋の蝶形骨と仙骨、頚椎と腰椎の治療ポイントの微調整が有効的なことも、臨床の結果により経験しております。
治療ポイント
以前の頚椎腰椎(ロベットブラザー。カイロプラクティックの理論。頚椎と腰椎は兄弟椎)(図1・2)での気の治療は、頚椎の上がっている側が治療するポイントでした。臨床の結果、2014年から尾骨が全身のバランスの場であり、身体左右12の歪みを取り除き、それにより腹腔に気が貯蔵される最も有効かつ効率的なポイントで、確実に結果が出るポイントであるということが分かりました。
医学的には根拠はありませんが、尾骨から気を補填することで体の歪みが過去の姿勢である癖歪みの方向に戻りづらくなるのは、癖歪み側に新たな骨芽細胞が徐々に生じ補うからだと思われます。尾骨先端を手技で触れて治療することはかなり難しいですが、尾骨と尾骨の周りの空間を動かすイメージの波動を送ることによる気の注入は可能です。
尾骨に気を注入すると生理学的にS字状湾曲(頚椎半径17センチ前弯カーブ・腰椎半径19〜24センチ前弯カーブ)に戻り、頭蓋骨や四肢も整うことになります。治療ポイントに対する治療法(ベクトル・角度方向)は点や線ではなく曲線でなければなりません。なぜかと申しますと、左右12の歪みそれぞれに3次元的な六つの歪みが含まれているからです。たとえば左右重心という一つの歪みにも左右傾き、上下捻れ、前後重心、前後屈という歪みが存在するからです。