学習の明確な目的と細かい手順を示して英語学習へ誘う
各学年の教科書の巻頭文には、子どもたちに向けて「英語を習得すると、どのように役に立つのか、なぜ君たちに英語を学んでほしいのか」が、自国語で熱く語りかけられています。
子どもたちへの檄文
2002年発行(2001年初版)の4年生用のテキストですが、巻頭言の概要を紹介してみます。残念ながら同年発行の3年生用は手に入らなかったのですが、5、6年生用はほぼ同じ要旨で書かれているので、3年生用も4年生用も大差はないと思います。
【モリマル・巻頭言】第4学年2002年版
生徒の皆さん、英語を勉強し始めてから1年以上たちましたね。道で外国人に会うと、ちょっと話してみたい気がしませんか。そうならば、もう英語に自信があると考えていいです。1年間英語を勉強すると世界のいろいろな国の友達が考えていることが、たくさんわかるようになったことでしょう?
4年次でもみなさんは英語を易しく面白く学ぶことができるように、いろいろな活動をさまざまに、面白い歌や、チャントもなぞってみて、面白いゲームや劇遊びなどもやってみましょう。
その間に英語の文字の勉強もしたくなるでしょう。今度は、私たちは英語を読む時の基礎となる、アルファベットの形と音を学習します。面白い英語に、更に親しみがわいてきますよ。英語が読めるようになるとインターネット通信で外国の友達と英語で文章をやりとりすることもできます。皆さんの世界はもっと広がって友達がもっとたくさんふえることでしょう。
学校で学んだ英語を、家へ帰ってからCD-ROMのタイトルかテープレコーダーのテープで復習してみてください。少しずつ、少しずつ毎日反復して英語を勉強する習慣を身につけるようにすれば、英語が自分たちの国の言葉のようになります。皆さんは私たちの国の、夢と希望を担っているのです。英語の勉強を熱心にすると、地球村の新しい千年をリードしていけるりっぱなリーダーになれるでしょう。※著者訳
(『영어・ELEMENTARY SCHOOL ENGLISH 4』교육인적자원부2002年刊)
以上のように、英語を学ぶ目的と学習法が具体的に児童にもわかるように巻頭言に明らかにされ、子どもたちへ国家の未来を託しています。
CD-ROMを使って、家で繰り返し聞くことを習慣にしましょう、英語の勉強は面白いのですよ、と、子どもたちが興味を持つように、英語学習へ誘いかけます。
小学校3年生が堂々とパソコンの操作をするように促されるのですから、番号の順序通りに進まないとしても、好奇心の強い低学年の子どもたちがテレビゲームをするような感覚で、パソコンの操作を覚え、同時に英語学習が始まります。現在出ている3年生用の10数種のテキストを比較すると、順番が違いますがほぼ同じ内容です。
私がベストだと思った出版社の2011年初版の教科書の、学習を進めるためのお話の内容を紹介してみます。
ある日、登場人物たちが遊んでいる公園へ、空から1人の女の子が空飛ぶ自動車に乗って不時着します。その子と一緒に過ごしながら、基本の日常語を習得していきます。お話が第1章から15章まで続いたところで、女の子は空へ帰って行きます。第16章は1年間で学んだことをゲームのように復習して1学年が終わります。学習法の要点をまとめると次のようになります。