小説 『超能力探偵 河原賽子』 【第6回】 春山 大樹 急に連絡が途絶えたストーカー男の様子見に、家を訪ねた。電気は点いているのに返事がない。こじ開けたドアの向こう、見えたのは… 【前回の記事を読む】ストーカー気質の男の相談で探偵事務所を訪れた。「大抵の男はこれで震えあがる」とすすめられたオプションは…林良祐の家は都心の住宅街にあった。築40年以上は経っているであろう古ぼけた2階建ての木造家屋で、周囲は塀で囲まれているが庭は非常に狭く、そこに植えているというより勝手に生い茂ったような笹が周囲からの目隠しになっていた。西側に細い路地があり、そちら側に庭の小さなゲートがあり、…
小説 『あら、50歳独身いいかも![2025年話題作ピックアップ]』 【第16回】 武 きき 私から別れを告げる? 子供を引き取って育てる?――DNA検査の日、来たのは元カノだけ。「子供はどうした。一緒じゃないのか」 【前回の記事を読む】「あなたとの子どもを産んだの。もう5歳になる」デート中に突然現れたのは彼の元カノだった。私は頭が真っ白になり…「早かったのね。朝食作るね」「いらない。コーヒーが欲しい」と、私も食欲がない。コーヒーだけで済ました。何もできず、ただ、ただ座っていた。そろそろ、お昼時。さすがにお腹が空いて、温かいおうどんを作った。「食べましょう」「ああ」とだけ。食べながら、「別れたのは、何時頃なの…