小説 絵本・漫画 絵本 浦島太郎 2022.08.11 【えほん】「いいじゃん、カメとニンゲンが友達になったって」 ウラシマコタロウ 【第1回】 はしもと じろう その少年は カメとの出会いで勇気を知りました。 この記事の連載一覧 ※本記事は、はしもとじろう氏の書籍『ウラシマコタロウ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。 ウラシマコタロウ
小説 『恋愛配達』 【第15回】 氷満 圭一郎 配達票にサインすると、彼女は思案するように僕の顔を見つめ「じゃあ寄ってく?」と… 「本業は酒屋で、宅配便はバイトです。ところでさ」ぼくはたまらず差し挟まずにはいられない。「さっきからなんなの、どっち、どっちって?」「だってあなた、ドッチ君だもん」「何、ドッチ君て?」すると瞳子さんは、ぼくの胸に付いている名札を指差した。これは配達者が何者であるのか知らせるために、運送会社から貸与されているものだ。ぼくの名前は以前病室で宴会を開いた時に教えていたはずだが、漢字までは教えていない。…
小説 『あわら温泉物語』 【新連載】 笹岡 一彦 地震や大火から不死鳥のように蘇った「あわら温泉」温泉街の発展に若手経営者が声を上げる! 人は悲しい時には青が見えなくなり、青空も灰色に見えるという。だが、この日の晴れ上がった空は悲しすぎるくらい青かった。乾燥した空気の中、旅館の屋根から白い煙が上がり始めると、あちこちからパチパチという音が鳴りだす。今度はキナ臭くヌメっとした生温(ぬる)い風が流れてきて、それがやがて微妙な辛味のある熱風へと変わり、あっという間に真っ赤な火の手が一気に屋根にも駆け上がった。そして、火炎は飢えた野獣のご…