【前回の記事を読む】「つくり笑顔」は最強の武器!人生を楽しくする一番簡単な方法…
やる気とか根気とかそんなものは要らない その気になることが目標達成への最短ルート
つくり笑顔という最強の武器を手に入れ、焼肉屋で楽しくアルバイトしていた頃、学校の友達は有名な焼きとりチェーン店でアルバイトをしていた。そんな彼が言った一言が僕を突き動かした。
「今バイトしている店さ、めっちゃ女の子多くて楽しいよ。バイト終わってから皆で飲んだり遊んだりして毎日最高に楽しいよ♪」
「マジか!?」
僕はそのチェーン店の新店が近くにオープンすると聞きつけ、勤めていた焼肉屋そっちのけ、すぐさまオープニングスタッフに応募した。つくづく自分の心に正直だ。褒めてあげたい。
面接を経てお店のオープニングキャストとしての勤務が無事決まり、オープン日まで研修が始まることになった。確か二〇人ほどいただろうか、研修初日に集まったアルバイトの半数以上は接客未経験の高校生だった。年配のベテランの人はキッチンスタッフに、僕はというと焼肉屋で接客の経験があるからとの理由でホールキャスト、加えてなぜかアルバイトリーダー的なポジションに任命された。
「アルバイトリーダー!? かっこいいじゃないか」
単純な僕はアルバイトリーダーという肩書きにすっかり魅了され、さも偉そうに、先輩面をして教育にあたった。元々接客嫌い、かつ知らない人を避けるコミュ障、二年弱という短い期間に焼肉屋でアルバイトしただけの僕が、である。もっと適任の人がいるにもかかわらず。肩書きの持つパワーはすごい。
この時、アルバイトリーダーとして調子に乗った僕はその後、意欲的にキャストの教育や接客スキルの向上に努め、全国のチェーン店の中でもかなりいい成績を収めることができた。開店して即満席、二時間待ちの行列ができる、そんなお店に成長した。個人的にも優秀なキャストランキングというもので最高で全国五位になることができた。ただのアルバイトだったら結果は変わっていただろう。肩書きのお陰である。
肩書きを持つということ自体は、一見凄そうで実はたいしたことはない。役所に紙切れ一枚提出するだけで誰でも代表取締役、社長になれる時代だ。ちなみに僕は数年前から名刺に「講師」と書いているが、実は講師ということが全くの未経験のうちから書いていた。すると名刺交換した際に講師の依頼をいただくことができた。肩書きパワー万歳である。