鳳炎昴龍の愛
二人の様子を見ていた龍王たちも思わず心配する声があがる。
「朱雀天龍。あれは何じゃ?」
「何時もの事じゃ! あれを見ないと一日が始まらぬ! しかし、ちと、心配じゃのう!」
「ある程度の運動は良いのですが、あれは少しやり過ぎです」
「安定期になられましたけど…心配ですわ」
「羅技。いい加減にしなされ」
羅技は清姫の言葉に走るのをようやく止めた。
「捕まえたぞ! 今日は余の勝ちじゃ!」
「尻を叩くなよ」
「もちろんだ! じゃが、しばしおとなしくせよ!」
「フン! やや子が産まれるまで我慢してやろう!」
「フフフ! すぐ次のやや子をお腹に宿らせてやるからな!」
「何を戯けた事を言うのだ? 我は鶏では無いぞ。ポコポコと子は産めぬ」
「いやーん。姉上様達ったら。わたくしは恥ずかしい~」
二人の会話を聞き思わず紗久弥は恥ずかしくなる。
「羅技らしくて良いですね!」
「天もケチだわ! 千世様の足を治して下されば良いのに。羅技姉上様のお身体の傷跡は消されましたのにね」
「紗久弥、天にも出来ぬ事は在る」
「私はこのままで良いのです! 紗久弥姫様からこの身体を頂戴致しましていつも鳳炎昴龍様のお傍に居られるだけでも幸せです」
清姫は千世にそっと寄り添った。
「貴女もやや子をお作りなされ!」
「え? でも、鳳炎昴龍様はお年ですよ? 抱きしめて下さるだけでも嬉しいのです!」
「だめよ! 龍王様はお母様をお身体にお入れになられ、時々嫌らしい笑いをされているのよ! ぜーったいにお二人はお心の中でHをしているのよ!」
千世の消極的な発言に思わず大胆な発言をしてしまう紗久弥だが、青龍に制される。
「え、Hだと? こら。紗久弥。そなたは何という事を申すのじゃ」
「そうです! それでは名ばかりの妃ですわ! 私は白龍様に襲われて無理やりHなさったのよ!」
「さ、清姫? え、H? 無理やりHとは…。聞き捨てならぬ。あの時そなたもその気になったのでは無いか」
白龍の顔はまっ赤になった。
「ふん! 私は羅技の姉なのよ! その位の事は言うわ!」
青龍、紗久弥姫、千世は清姫の言葉に呆然とし、何時も物静かで淑やかな清姫とは思えない言葉に呆気にとられた。
「で、でも……」
千世は鳳炎昴龍をちらっと見ると恥ずかしくて顔を赤く染めた。
「この物語の産みの親の玉野のももたろう殿もお父様の五十七歳の御子と教えて頂きました! お相手であられるお母上様とは三十歳も御年が離れられておられます! 貴女は若いわ! 御子は出来ます!」