若宮を筆頭に、OS殺人事件の真相が明らかになり、最後の事件を捜査することになった。しかし、その事件は四カ月前の事件。犯人は逮捕されており、詐欺とは何の関連もないと思い込んでいた事件だった。

――殺害されたのは藤本義憲四十三歳、スナックの店長だ。

藤本はスナックのホステス五人のうち三人に関係を迫り、性的暴行を加えていた。そのホステスのうち、一人に思いを寄せていた客の小野壮太、二十一歳が藤本を花瓶で殴り、窓から転落死させたが、自殺に見せかけるため、遺書を用意した。

ところが、隠してあった花瓶の指紋と遺書の文字が小野のものと一致。目撃者の証言もあり逮捕となったのだ。

しかし、若宮やOSのメンバーの証言で、藤本の事件もパーフェクトが絡んでいることがわかった。小野はOSやパーフェクトに関わっており、架名国島で、大木の指示によって押坂を殺した時のメンバー七人のうちの一人だった。その後も小野はOSを辞めたくても辞められず、パーフェクトで仕事をするが、指紋の判や手袋の作成、録音の文書作り、殺人現場の足跡の型作りなど、殺人を偽装するものばかりを担当させられていた。

殺して偽装工作するのは別の人間だが、スタンバイしたのは小野だ。小野の指紋やボイスレコーダーは小野自身がパーフェクトから持ちだし処分した。

しかし、証拠は一つではない。予備に隠しておいてあり、それを使われてしまったのだ。藤本は受け子だったホステス横井真由にOSの情報を聞きつけそれをネタに関係を迫った。

真由はそれを拒んだが「警察に言うぞ」「マスコミに公表するぞ」と脅して来たため、真由は大木に頼んでパーフェクトの社員に殺してもらった。

実行犯は小野ではない。しかし、そうなると真っ先に真由が疑われる。そこで、大木とお金を欲しがった他のホステスの提案で、小野に疑いが向くようそのホステスに証言してもらい、花瓶にも小野の指紋をつけてもらった。もちろん、大木があとからホステスにお金を渡した。

その後、真由とそのホステスは任意で同行されたが、、花瓶で殴って屋上から突き落としたのは違う人間。それがエアリーによってわかった。

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