【前回の記事を読む】外国人知人からの初来日の感想「こんなに英語が通じない国だとは思わなかった」

死んだ英語教育の歴史

学習者から見た日本の英語教育

最後に日本の英語教育に関して自由な意見を書いてもらったところ、次のようなコメントが得られました。

・書くことに集中し過ぎている。

・英会話の時間がもっとあれば今より話せたと思う。

・もっと会話を重視した学習にするべきだ。

・早期教育が必要、小さい頃から英語に慣れるような、楽しく学べる授業があればいい。

また、2011(平成23)年度から小学校5、6年で「外国語活動」として英語が必修化されたことについては、

・小学校からの英語教育は大変いい。

・小学校から自然と英語に触れて、自然に覚えられる環境が望ましい。

・小学校で担任の先生が教えるのは無理があると思う。

・小学校の英語教育は生ぬるい。

などといった意見が見られました。アンケートをお願いしたのは、知人から用紙を配ってもらった大学生、知人のマンションの住人、公園で遊んでいた親子連れ、時々やって来る銀行の人、知人の会社の部下、通りすがりの人などですが、回答は予想に反することなく、ほぼ日本の学校英語教育の現状が言い表されている結果だと思います。

2 制度としての学校英語教育の始まり

ここで、これまでの日本における学校英語教育の歴史を振り返ってみましょう。我が国の英語教育の歴史については、『日本の英語教育200年』(伊村元道著/大修館書店2003年刊)に詳しいので、その中から主として小学生年代と中学生年代に関わる事柄を抜粋しながら変遷を辿たどって見ていくことにします。