次に、これは昔のことで最近はそのようなことはなくなったのかもしれないが、行政組織のポストや役職などが首長の選挙の時の貢献度によって割り振られるというようなことを聞いたことがある。これはまさに広義の資源の配分ということなのだろう。そのような世界では有利な配分を期待して一生懸命に行動する人がでてくるのは無理からぬことだろう。

ところで行政組織ではないが、ある町のボランティア組織の会長は町の助役が務めるポストであった。ある首長の時に同組織から政治色をなくそうという方針が出されて、役員から議員の方々が降板することになった。そのため「政治」にうといものでも同組織の役員として活動することが可能になった。

しかしながら、同ボランティア組織でも合併前の地区を意識した(?)役員のポストの配分などには政治的判断や政治的行動が皆無とは言えないかもしれない。

最後に、ある学校の一〇〇周年記念の時にOB会長が式典後のパーティ会場を自分の地区で開催することを主張して他の役員とギリギリまでもめたことがあった。他の役員は隣の地区の大ホテルでの開催を全員希望したが、会長の地区にも開催可能な施設があることを会長は主張して容易には納得しなかった。

驚くべきことに会長は担当部会提出の「大ホテル開催案」を役員会において議長権限(会長が議長)で継続審議にしてしまい、しばらくしてから臨時役員会を開催して大ホテル開催案を渋々認める形をとった。

おそらく会長としては自分の地区の施設を利用することによって地元に恩を売りたかったのだろうが、大ホテル案を支持する役員が圧倒的だったので「継続審議」にして最後まで頑張ったという地元向けのパフォーマンスを実行したのだと思われる。同会長は地方政治の経験も豊富な地元の名士で各種役員ポストの配分などに関しても政治的行動は顕著なように思われる。