【前回の記事を読む】手のひらに広がった水疱…診察した現地の医者が放った一言とは
急かしてはいけません
私がアフリカのガーナ共和国に赴任していたときのこと、平日は現地雇用のコックが昼と夕食を作ってくれていましたが、土曜日、日曜日の休日は、コックは休みでした。そのため、それらの日には出勤した日本人スタッフとともに街なかの良さそうなレストランで食事をしていました。
ある休日の昼食時、いつものように同僚五人とともにレストランへ出かけました。レストランでは時間の都合で皆が同じものを注文しました。しばらくして注文したものが各人の前に並び始めました。しかしなぜか私のところにはこなかったため、ウエイターに確認してもらったところ、なんと、材料がなくなったので作っていない、と言うではありませんか。
日本では考えられないような理由には相当腹も立ちましたが、それよりも早くしないと昼食を食べそこねると判断し、今ある材料で何が一番早くできるのか聞いたところチャーハンだと言うので、それを至急料理してくれと頼みました。ほどなくして通常よりかなり早いタイミングでチャーハンがきました。
しかし、できたてにしては熱くないな、と思いながら急いで食べて、仕事に戻りました。その日の夕食のときには何もなかったのですが、夜の九時過ぎくらいから猛烈な腹痛と吐き気に襲われ、翌朝までトイレの脇から離れられない状況が続きました。私は以前にも同様な症状の食中毒を何回か経験していたため、今回も同様に、とにかく腹の中のものをすべて出せば症状はおさまると判断し、ひたすら水分補給を続けました。その結果、その翌日の昼頃にはなんとか吐き気と下痢がおさまったので、病院で診察を受けられました。
診察したインド人医師は血液のサンプルを顕微鏡でのぞきながら、「おう、サルモネラ菌がいっぱいいるわい」と言います。食事の内容を聞かれたので、前日の昼食と、夕食の内容を話したところ、原因は前日の昼食と思われるとの診断でした。
薬を処方してくれたのですが、その薬は以前に薬疹を発症した薬と同じと思えたため、服用はせず、ひたすら水分補給を続けた結果、発病から三日後には症状もおさまり、職場復帰しました。