波(なみ)の花が、天高く舞い上がっている。日本海から吹きつける風は冷たかった。白い泡沫状の波の花は下からえぐられるような強い風に吹き上げられ、雪もろとも岸辺に叩きつけられている。時折り吹いてくる強い突風は息も出来ないほど強く、心の底まで凍えるようだった。空は鉛色を呈し、海の色は緑がかった灰色で、その合間を白波が縫うように走っている。海猫の切ない鳴き声がいっそうこの海岸沿いを寂しいものにしていた。…
越後直江の津の記事一覧
タグ「越後直江の津」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。