【前回の記事を読む】「ぼろぼろのその靴がお前の人となり、だなんて俺には到底思えない」彼の手のぬくもりは、言葉よりも遥かに雄弁だった。永ちゃんの手がそっと離れる。「そんな……」思わず目を伏せると、白い紙袋が車の床に落ちていることに気付く。薬が処方されるときによく使われる、薬の名前や飲み方を記した小型の紙袋である。薬が中に入ってるのか、少し膨らんでいる。「あっ! ごっ、ごめん。永ちゃん、うっかり踏ん…
私小説の記事一覧
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小説『ツワブキの咲く場所』【最終回】雨宮 福一
何の薬だったんだろう…白い紙袋の表を、決して見せないように拾い上げた馴染みの友人。不安な気持ちを残したまま別れ…
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第22回】三上 ミカン
声のするリビングへ行くと、母の不倫相手が...まだ中学生の私を舐めまわすように見る男は、気軽に家に上がり込むように…
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小説『ツワブキの咲く場所』【第23回】雨宮 福一
「ぼろぼろのその靴がお前の人となり、だなんて俺には到底思えない」彼の手のぬくもりは、言葉よりも遥かに雄弁だった。
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第21回】三上 ミカン
世田谷区に住み、幼稚舎から名門校に通う由緒正しきお嬢様。父親は私立大学の教授、母親は主婦をしながら事業に取り組んでいる。
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小説『ツワブキの咲く場所』【第22回】雨宮 福一
祈ったところで、何になるんだろう…カルト教団に洗脳され、結びついた両親。壇上に立つ老人は救世主でも神様でもなかった。
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第20回】三上 ミカン
杉本博司が手掛けた、表参道の「茶酒金田中」へ。薄暗いエントランスを抜けた先に広がるのは、開放感ある洗練された空間。
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小説『ツワブキの咲く場所』【第21回】雨宮 福一
子どもの私が、教祖と呼ばれていた壇上の老人に手を振る。思い出すのは、大人達の狂った言動と、視野が血で赤くなるほどの暴力。
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第19回】三上 ミカン
「高校の頃からクラブで遊びまくって…ホテルに行ったのも自分の判断なのに人のせいにするの?」少しきつい言い方になった。
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小説『ツワブキの咲く場所』【第20回】雨宮 福一
車に乗せられ、降ろされたのは人が集う場所。建物へ入ると、十字架が最初に目に入った。
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第18回】三上 ミカン
「わたしそいつとやっちゃったんだよね。」せっかく美大に入ったのに?「実際はどっちの子か分からないの」...妊娠?
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小説『ツワブキの咲く場所』【第19回】雨宮 福一
いつか中を見てくれ…心不全で亡くなった親友が残した段ボール箱。そっと開けると、そこには聖書が入っていて…
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第17回】三上 ミカン
「お母さんが不倫ってありえなくない?」下着姿を不倫相手に送っていた継母に絶望したという友人
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小説『ツワブキの咲く場所』【第18回】雨宮 福一
ハムスターに嫉妬し、小さな命をそのまま土に埋めた。その後、主治医から家族と離れて暮らすことを提案され...
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第16回】三上 ミカン
ある日母から父が学費を払わないと言い出しと連絡が――父が家族を壊し、どれだけ傷付き恨んできたかをメールに書き連ねて送ると…
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小説『ツワブキの咲く場所』【第17回】雨宮 福一
ペットのハムスターを庭に生き埋めにした。手のひらに、脈打つ小さな心臓。皆が私の方を見た。私を、見てくれたのだと思った。
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第15回】三上 ミカン
「彼氏欲しくない?」「うん! 私も彼氏作りたい」大学入学で憧れの東京、そしてモデルのように綺麗な女の子と渋谷のクラブへ
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小説『ツワブキの咲く場所』【第16回】雨宮 福一
まだ幼い妹を憎み、重ね合わせた…見殺しにした女の子と。丸裸に剥かれ、ぷらぷら揺れる小さな足に、黄色の靴下。
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第14回】三上 ミカン
「受験が無事に終わるまでは見届けたくて……ごめんな」別れ話をした後、私たちは何時間も抱きしめ合って二人して泣いていた
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小説『ツワブキの咲く場所』【第15回】雨宮 福一
「韓国へ行くの。聖地巡礼をしましょうね」激情が込み上げそれを拒否した。母に飛び掛かり、体を叩き続けた。
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第13回】三上 ミカン
「雌犬と雄犬がすることは一つなんだ!」大学受験のため週一で家庭教師として家に来ていた父。公園で彼氏といる姿を見られ…