ようやくもの差しを添えての撮影だ。吉岡は決して検視時に声を荒げない。理由は神聖なご遺体に対して失礼と考えることが一番だが、警察の仕事で一番皆が嫌がる検視を、暗い雰囲気にしたくないのも大きな理由だ。たまには遺族や病院関係者に聞こえないように冗談を飛ばすこともある。暗い仕事での叱責、大声は基本厳禁という方針は一応未だ破られてはいない。検視を終え捜査本部に向かった。福岡署6階の大会議室では、カマキリが…
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