【前回記事を読む】週末になると、別居中の夫が洗濯物をたくさん持って私の実家に来る。そんな夫にあまりに冷たくあしらわれる私を見た母は…人間には最後に三大欲求が残ります。三大欲求というのは、食欲、睡眠欲、性欲です。人が認知症になった場合、それが顕著に現れます。「まさかうちの親が」と、驚くようなことが起こるのです。厳格で堅実だったはずの自分の知っていた親が、あられもない姿になって、驚いたことは一度や二…
[連載]不完全な親子[注目連載ピックアップ]
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【最終回】松谷 美善
まさかうちの親が――認知症の母が恋をしたのは、ホームの介護職員だった。高齢者に残る三大欲求の中で一番の難題が…
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【第12回】松谷 美善
週末になると、別居中の夫が洗濯物をたくさん持って私の実家に来る。そんな夫にあまりに冷たくあしらわれる私を見た母は…
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【第11回】松谷 美善
子どもに詫びて――成長しても暴言・暴力は覚えている。叱咤激励のつもりでも、親子関係の闇は老後に顕在化し…
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【第10回】松谷 美善
祖父母と父に怯える母…元気だったころの母は哀れだった。最期は難病で、ちゃんと話すことができなかったが…
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【第9回】松谷 美善
「おばあちゃん助けて」と何度祈ったか分からない――看護も介護も知らない両親を、私一人で介護する間…
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【第8回】松谷 美善
僧侶だった祖父。戦時中は、敵兵から散弾を肩に受けながらも反撃せず、お釈迦様の像を背負って敵襲の中を突っ切って…
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【第7回】松谷 美善
「また来るからね」と言う私の声に反応し、目を開け、チューブに繋がれた手を上げた母。それが最後の挨拶だった。
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【第6回】松谷 美善
「延命治療は絶対にしないでちょうだい」――そう言った母が目にしたのは、他の患者さんのとある姿だった。
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【第5回】松谷 美善
死ぬほどの虐待は受けていない。でも父の暴力は狡猾だった。叩けば自分の手が痛くなるから、必ず服の上から強くつねってきて…
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【第4回】松谷 美善
父への殺意を打ち明けた私に、母は「逆にお前がやられてしまうよ」――幼い頃から抱いていた気持ちだったが…
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【第3回】松谷 美善
嫌な予感が止まらず、息を切らして自宅に向かう――家に入るとやはり父がいない。そして、ガスコンロの火が燃えていて…
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【第2回】松谷 美善
顔面蒼白の父が、右手のものすごい力で私の手を握り締めた。そのとき父は、脳梗塞で既に左半身麻痺になっていて…
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エッセイ『不完全な親子[注目連載ピックアップ]』【新連載】松谷 美善
両親の葬儀では涙が一滴も出なかった。今までにいっぱい泣いたから――20年続いた母の介護。もちろん悲しい気持ちはあったが…