笹井が書斎の机の上にある睡眠薬の入った瓶を指差した。深瀬はそのラベルを見つめて、書かれている薬品名を読み上げる。それから、笹井の方へ振り返った。「秋吉航季が途中で目覚め、悶え苦しんだのならば、ボールペンは握っていられないはずだ。おそらく眠ったまま死亡したのだろう」「あ、そうか……!」「犯人がゴルフボールをどうやって胃まで押し込んだか、考えたか」「はい、それがどうやら、これを使ったようです」笹井は…
[連載]アイアムハウス
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小説『アイアムハウス』【第4回】由野 寿和
無理矢理侵入した形跡はなく顔見知りの犯行か?犯人は二人組?果たして計画的犯行か、突発的な犯行か…
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小説『アイアムハウス』【第3回】由野 寿和
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小説『アイアムハウス』【第2回】由野 寿和
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小説『アイアムハウス』【新連載】由野 寿和
静岡県一家三人殺害事件発生。その家はまるで息をするかのように、いや怒っているかのように、大きく立ちはだかり悠然としていた
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