【前回の記事を読む】ドブネズミにパンを与えて観察してみると…?驚きの結果が!
4 餌付け機能を備えた1匹取りの仕掛け
A 捕獲例1 ドブネズミの場合
その後ネズミはいなくなったとの事である。
全ての個体を捕獲したとは思っていないが、この場所に生息するドブネズミのほとんどを捕獲できたと思っている。予想以上に少ない結果となった。
近接する建物から十分離れているので、捕獲された個体群は餌場を共有する1つの集団であるといえる。毒餌を用いて駆除した場合ではすべての死体を集めて確認することはできない。今回使用したような捕獲具が今までになかったのだから、このような捕獲例の報告は初めてだと思っている。
この集団の構成から、親2頭と2~3回の出産で生まれた数匹の子からなる集団だと考えて良いと思っている。
すると、ドブネズミは一夫一妻ということになり、共に店舗外の近い場所で捕獲されたのだから、親たちは一緒に行動していて仲が良かったのかもしれない。後で触れることになるハツカネズミとは大違いである。
親子であることが証明されていないのだからそんなことはいえないだろうとどこかで声がするようだが、野生生物を観察する際にDNAの親子鑑定が重要だと主張する人はいない。そして、長期にわたって野生家ネズミの行動観察を行うことは困難極まりない。
このような捕獲具が今までになかったのだから、野外で行った世界初の観察例と言って良いだろう。
限られたエリアに生息する集団のほとんどを捕獲することができるのであれば、捕獲してその構成を調べることで集団の成り立ちを推測することは充分可能だと思っている。
クマネズミでも同じように餌付けをした後に、餌場を共有する集団をほとんど捕獲できるのであれば、これはすごいことになると思った。大儲けに一歩近づいたという認識である。
B 捕獲例2 クマネズミの場合
実施例1 古民家のケース
ドブネズミ捕獲後の2010年1月22日から、四国松山にある線路わきの古民家でクマネズミを捕獲することになった。
家のリフォームに合わせて捕獲試験を行っても良いとの事である。調査段階で敷地内にとても面白い物を見つけた。