天使は続けました。
「心を込めて、知性を広げて、聴いてくださいね。ただし、色は付けずに、『純粋な光』が無色透明で届くように。
あなたの思い、学んだドグマや信条、恐れや疑念、希望や期待で色を付けてはいけませんよ、フォール。『純粋な光』が無色で届くようになさいね。『純粋な光』が本質だけで届くように。
今宵は、もう一つ教えましょう。輝いている者とはわたしのことではなく、あなただということを。人間という肉体の衣を着ていても、あなたは、すべての人は輝いています。『影』があっても、恐怖や打撃の中にいても、あなた方は輝いています。
あなた方は皆、内に光を秘めていて、外に出るのを、姿を現すのを、扉が開くのを待っています。嘆きや悲しみによってできる『割れ目』を待っているのです。それを透光性と言います」
「透光性……?」
フォールはつぶやきました。
「何だろう……?」
かすかな微笑みを感じさせながら、天使は答えました。
「それは、あなたを通過する光、あなたを通して輝く光のことです。あなたの体中で輝く分子の光のことです。あなたの中に秘められ、ヴェールのようにあなたを包む半透明(透光性)な存在で、あなたには見えませんが、確かに存在する光のことなのです。
いつもそばにいてくれる光です。あなたは決してひとりぼっちではありませんよ、フォール。激しい怒りと闇の世界にあっても、トランスルーセントでありなさい。内なる光を放ちなさい。
一度の一歩が大きな一歩となります。次の一歩を踏み出しなさいね、フォール。かつては予想もできなかった冒険の領域に足を踏み出しなさい。救いの手を差し伸べなさい。救いの手を差し伸べなさい」
そう言って、天使は去っていきました。