そして、お飲み物は3種類の各々色の違うカラフルなカクテルと、その他のアルコール類、そしてソフトドリンクも、そのほとんどはフリー・ドリンク制で御座いました。フリー・ドリンクと申しましても、御客様によっては温かい日本茶をどうしても飲みたくなった、などと申されて来られる方がいらっしゃいますと、そのような時には、わたくしどもウェイターは四苦八苦してしまいます。

しかしながら、本日のフリー・ドリンクのメニューには、お茶のご用意は残念ながら御座いません、などと冷たくお断りはいたしません。そのホテルの宴会場フロアー以外にある和食レストランにまで行きまして、日本茶をご用意して来て、温かいうちにご提供もいたします。

このような場合には(Separate Account)になってしまいますので御座いますが。このディナーショーのためにホテルがご用意いたしました、この日の為の特別なお飲み物〈3種類のカクテル〉、のうち一つはクリスマスにちなみました、そのホテル独特のオリジナリティの強いもの、緑・赤・そして雪の白・そしてクリスマスツリーの頂上にあります金色の星のテーマに合わせたもので御座いましたが、それが独特なもので御座いまして、そして、その他二種類のカクテル。

また、お料理とそのお飲み物のサービスが始まりますと、それらのカクテルを珍しいとお思いになるお客様は、3種類のカクテルを一度に全部をご注文なさったりもします。

お客様はそれをお飲み比べなさるので御座いましょう。それで、ウェイターにそのカクテルについての様々な説明をお求めになって来られる方もいらっしゃいますので御座います。そこで、ディナーショーが始まる直前のウェイター達のミーティングにありましては、そのような事のご説明が出来ますように、何がベースになっていて、他にどのような酒類がミックス・ブレンドされているかなど、細かく教えられているので御座います。

‥‥‥ですが、さすがに、そのカクテルの味についてのご説明を詳しくお客様に申し上げる事は難しく、あらかじめウェイター達はテイスティングしているわけではないので御座いますから……。

あるウェイター等は、その様なご説明までをお客様に試みようと思ったので御座いましょうか? お料理のサービス中にフラフラと千鳥足ちどりあしでサービスをしておりました外国人ウェイターを認めましたので、わたくしが追及いたしましたところ、やはりカクテルを少し飲んでしまった、とのことでありました。そこまで熱心にお客様に対するサービスを厳格に遂行しようとする日本人以外の、そのようなウェイターもいるわけなので御座います。