残り30年でカーボンニュートラルを達成するには

企業成長と脱炭素化は両立できる。否、両立しなくてはならない。

このことは決して易しいことではありませんが、企業経営者としては脱炭素化が必須の要件となる時代の到来とともに、企業の成長に向けてより具体的な指示や行動に移していかねばなりません。2050年カーボンニュートラル達成までには、まだ30年近くの年月があるので、先のことのように感じもしますが、それでも社会全体のカーボン排出が実質ゼロという目標は、実現がとてつもなく高く困難なものです。

また日本企業においても、生き残りを賭けた苦しい闘いとなり、それをやり切るにはまずは社内全体、特に現場で働く従業員を腹落ちさせて具体的な行動に導いていく必要があります。その30年近くにわたる苦しい航海を正しくナビゲートしていくためには、企業経営者は自らの会社が正しい方向に進んでいるのかどうかを常に注視していく必要があるでしょう。

その確認のための指標として、ここまで説明してきた「エネルギー生産性(EP)」、さらに「炭素生産性(CP)」が有効になるのではないでしょうか。その点を次章以降にて詳しく説明していきます。

省エネ法の機能・役割と現状の問題・課題は?

ここでこれまでの議論の中でたびたび紹介してきた省エネ法について、以下の3つの視点で筆者なりの考えを述べておきます。

①省エネ法が、現在のわが国の省エネルギー・エネルギー効率化にどのように役立ってきたのか?

②省エネ法の現状の問題点と課題は何か?

③将来的には、省エネ法をどうしていくべきか?

まず省エネ法の歴史を振り返り、その機能とこれまでの役割を考えたいと思います。「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」というのは、省エネ法の正式名称で、1970年代に入り二度にわたりわが国が被ったオイルショックを契機として、1979年に制定された法律です。