その目的は、「内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場等、輸送、建築物および機械器具等についてのエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置、電気の需要の平準化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化等を総合的に進めるために必要な措置等を講ずることとし、もって国民経済の健全な発展に寄与すること」となっております。

この目的にあるように、省エネ法が規制する分野は、エネルギー使用者への直接規制と間接規制があり、前者として「工場・事業場」「運輸」の事業部門であり、後者として「機械器具等」「一般消費者への情報提供」部門となっています。

直接規制である工場・事業場等の設置者や輸送業者・荷主に対して、省エネ取り組みを実施する際の目安となるべき「判断基準」を示すとともに、一定規模以上の事業者にはエネルギー使用状況等を報告させ、取り組みが不十分な場合には指導・助言や合理化計画の作成指示等を行うこととなっています。

この一定規模以上の事業者には、毎年「定期報告書」の提出が義務づけられており、その中には中長期の省エネルギー・エネルギー効率化計画を示した「中長期計画書」も含めることとなっております。

間接規制である機械器具等の製造または輸入業者に対して、機械器具等のエネルギー消費効率の目標を示して達成を求めるとともに、効率向上が不十分な場合には勧告等を行うこととなっております。この機械器具には、エアコン・冷蔵庫・テレビ等の家電製品、自動車、建材などが含まれており、この措置は「トップランナー制度」と呼ばれています。

この制度は、効果的な政策として国際的にも注目をされており、アジア諸国などが日本の制度を参考にし、類似の制度を導入しております。つまり、目標となる省エネ基準(トップランナー基準)を示しつつ、商品にエネルギー消費効率の表示を義務づけることで、製造事業者間の技術開発競争を促すことになり、結果として機械器具類の省エネルギー化を促進することに役立ちます。