4.金融債務
「収支予定表」で長期借入資金の返済計画を管理すると、複数の借入がある場合に、何年後にどの借入の返済が終わるかが目で見て分かります。そのタイミングで新たな借入を計画するのか、あるいは今年必要な新規借入を検討するときに、既往の借入と「まとめて」、毎年の返済「額」が過大にならないようにできないか、など、計画を可視化できます。
さあ、ここまで、P/L・B/Sと、キャッシュの関係性を見てきました。「P/Lは修正写真」とタイトルにつけましたが、「P/Lを使わない」という話ではありません。キャッシュ面から見ると「修正されている」ことを理解して、P/Lを見る、ということです。
それでは次に、販売管理費を含めて会社全体の「利益の構造」を考えましょう。
5.「限界利益」を重視しよう
☆「限界利益」の範囲で「固定費」を賄う、とは?
それでは次に、損益分岐点分析による、売上と利益の構造を考えてみましょう。
なお、この項では、P/Lの支出を「変動費」と「固定費」に分けて考える、「変動損益計算書」で内容分析を行います。ご覧のグラフは、一番左の棒グラフ「売上高」-「変動費」=「限界利益」。そして限界利益の予算内に「固定費」を収めれば、「営業利益」が出る、という、見た目の分かりやすい構造グラフです。
しかし、P/Lに「変動費」や「固定費」という費目はないので、いきなり「つまずく」と思います。一般的に「変動費(可変費)」とは、売上の増減によって変動する費用のことで、「仕入原価、原材料費、販売手数料、消耗品費や繁忙期アルバイトの給与等」などと考えられています。
これに対して「固定費(不変費)」とは、売上の増減にかかわらず発生する一定額の費用のことで、「人件費、地代家賃、水道光熱費、広告宣伝費、減価償却費等」などと考えられています。つまり、「仕入」とは別に、販売管理費の中から、「変動費」と「固定費」に費目や割合を分解しなければなりません。
振り分けを間違うと、損益分岐点分析にブレが生じるので、悩んでしまいがちです。
そこで、専門的な「固変分解」や計算はそちらの「専門家」におまかせすることにして、私たちは次の方法で「収益構造分析」を行いたいと思います。