「そうだなぁ、至高の神さまだもんね。至高の神さまは、愛と信頼の力のことを言っておられたよね」

そして夢の中で、フォールは、その力がもたらす奇跡をはっきりと見せられたのでした。不思議なことに、夢の中では物事がよく理解でき、肌で感じられるのでした。

「なんてすごいことを、夢で教えてもらえるんだろう! なんてすごいギフトなんだろう! なんて……」

「何を待っているのかね、フォール? 信頼はお前の手の中に、お前の心にあるんじゃないのかね?」

至高の神の言葉で、フォールは我に返りました。

「『求めよ、さらば与えられん』と言うじゃないか。だが、わたしなら、『信頼せよ、さらば与えられん』と言おう」

まぁ! これは強烈な言葉でした。フォールは啞然としました。

「大切なのは、求めることじゃなくて、求めることの中に信頼があるかなのだよ、フォール。信頼こそは、顕現する鍵を与えるものだ。だから、求める時には、信頼しなさい。知恵は信頼を通して授けられることを覚えておおき」(ソフトな含み笑い)

「信頼こそは、顕現するための知恵に導いてくれるものだ。お前の信頼が確かなものであれば、お前は、自分が現しているもの、つまり、お前の作り出すものと『ひとつ』になれる」

「信頼……知恵……顕現……」

フォールは、力なくうとうとしながら、言葉を繰り返しました。ついていくのが難しくなっていました。ちょっと前までは、喜びに満ち溢れていたのに、今では、どうしようもない疲れで朦朧としていました。

こんな真夜中に、あんな崇高な概念を理解しろと言ったって、無理というもの。いつの間にか、フォールはうとうとしていました。至高の神が浴びせた知恵の言葉は、フォールの小さな脳みそには手に負えず、彼の言葉は、ますますわけのわからないものになっていました。

「おやおや、ついてこれなくなったようだね」

と、至高の神はクスッと笑いながら言いました。

「この話は、また後でね」

「はい、わかりました、至高の神さま。うーん、ごめんなさい、ごめんなさい、でも……」

と言いながら、フォールは眠りに襲われ、その甘美で深い懐に身を任せました。そして、もう一つの魅惑的な夢に引きこまれていったのです。