まずお小遣い。僕は独り暮らしが長く、働いたお金は全部自分の物という意識を強く持っていたがけど、結婚してからは1ヵ月にもらえたお小遣いは1万5千円。

とても不満タラタラだったけどけれど、アパートの家賃と生活費、それに結婚前にまったく貯金のない僕だったために貯蓄に回すのは当然であったし、将来子どもが産まれたらそのお金も必要となるわけだ。

家事についても、うちの実家のように奥さんがやるのが当然とも思っていたらけど、そうではなかった。炊事・洗濯・掃除を分担した。僕の実家では考えられないがけど、ただ共通するのことは生活の主導権は妻が握ることだった。

「あれをしろ」、「これはするな」、いろいろ決まりごとも多くて最初はとても抵抗があったし、喧嘩もよくした。喧嘩するたびに母から、

「ウチが全ての家と同じではないんだよ」

と言われて、そうかと思うほかないのだった。

その慣れない結婚生活は結婚15年くらい経ち、仕事を辞めた僕が主夫になってからぐらいにやっと何となく"家"というのを感じるようになったのが僕の本音だ。

僕の思う結婚とは、価値観の違う他人の男女がどれだけわかり合い、妥協し、思いやること。そのわかり合う時間の長短はそれぞれだと思う。