長い沈黙に耐えきれず誰かが「私がやります」と言ってくれると、救世主のように思ったものだ。何でこんなことをしなければいけないのだろうと思いながら、前もって根回しをしたり、会が終わってから個別に依頼の電話をかけたりすることもあった。

仕事を持つ保護者など役員を引き受けるのが難しい人がいることはわかる。仕事をしていなくても、子育てや親の介護などそれぞれに事情はある。

会合はたいてい日中に行われる。卒業までに最低1回は役員をやるという暗黙のきまりが存在することもある。私もそのきまりに従って役員を引き受けた。

有給休暇を取って勤務校の授業を自習にし、わが子の学校に足を運ぶ自分の行動に違和感を持ったことを思い出す。

意思決定機関としての学校審議会

学校の意思決定機関として学校審議会(School Council)が設置されることがある。

すべての学校に設置されているわけではないが、自律的学校経営を行う学校には設置されることが多い。P&Cと同じく、教師、保護者、地域住民で構成されるが、時に生徒が参加することもある。高校生ぐらいになれば意思決定に参加することは十分可能だ。

教育の主体である生徒の声を学校経営に反映させることは、民主的であるだけでなく、教育的効果も大きいのではないかと思う。

学校審議会は学校コミュニティの代表機関であり、予算の検討、教育目標や指導ポリシーの検討、カリキュラムへの助言、教職員の採用、生徒のウェルビーイング(心身ともに健全な状態)、学校施設の活用など審議の範囲は広い。

地域社会との連携を深め、学校コミュニティの協働性を高めることも重要な役割だ。