第一章 奇蹟(きせき)の成果

1失業率2.1% 選挙公約の一丁目一番地

──沖縄県が発表した2019(平成31)年2月の県内雇用状況で、完全失業率2.1%が報告されました。

全国平均の2.3%を初めて下回る数値でした。有効求人倍率も1.21倍と好調です。失業率の改善、全国平均化は2006年11月の県知事選挙に出馬した際、選挙公約の一丁目一番地でした。

2%台の失業率をどのように受け止めていますか。

仲井眞弘多(以下仲井眞)

全国平均を下回る失業率には正直、驚いています。二期8年の年月をかけ、苦労を積み重ねて失業問題に取り組んできた者からすれば、まさに奇蹟と言っていい数値でしょう。

何しろ失業率改善の選挙公約を打ち出した当時、産業界の先輩が沖縄の産業構造や人口動態、耕地面積などを挙げて

「せいぜい4%台までが限度。それ以上の改善は無理な相談」

と厳しい予測をしたほどです。

愛娘ふたりが同席して知事選挙出馬表明する仲井眞弘多

2%台の完全失業率をみると、今の時代、観光産業や建設業などを軸にしてそれだけ沖縄の各種産業が充実して順調に伸びていることの表れでしょう。

雇用の場が増えることで職を求める人々を吸収できる環境が全県的に出来上がりつつあります。有効求人倍率が1倍以上というのは完全雇用の実現を意味しています。

これは失業率の改善と連動した当然の結果です。同時に最低賃金の底上げも図られてきました。

予想を上回る東アジア圏域の経済成長をバックに沖縄の経済産業は、まだ伸び代があるはずです。アジア太平洋圏域を含む国内外の経済市場を視野に入れた新規産業が、たくさん創出されるよう期待したいと思います。

日本国内で沖縄は東アジアのゲートウェイとして、グローバル産業が育つ地理的優位性をもっています。