2章 第一の関門――筆記試験への挑戦
2 保育原理
保育士に求められる高い倫理
当然ながら保育士には高い倫理性が求められ、子どもや保護者を援助する高い専門性と人間性、そしてプライバシーの保護が求められる。倫理については、「全国保育士会倫理綱領」で規定されており、その前文に左記のように記述されている。
「すべての子どもは、豊かな愛情のなかで心身ともに健やかに育てられ、自ら伸びていく無限の可能性を持っています。私たちは、子どもが現在を幸せに生活し、未来を生きる力を育てる保育の仕事に誇りと責任をもって、自らの人間性と専門性の向上に努め、一人ひとりの子どもを心から尊重し、次のことを行います。
・私たちは、子どもの育ちを支えます。
・私たちは、保護者の子育てを支えます。
・私たちは、子どもと子育てにやさしい社会をつくります。」
一方で、保育士は、子どもや保護者の個人情報に接することが多いが、個人情報の取り扱いには十分な配慮が必要である。
保育施設の歴史と保育の先駆者
一六世紀からの欧米での保育施設の先駆者や保育の研究者や実践者の足跡を学ぶ。貧しい乳幼児の救済や保育のために、世界初の保育施設や幼稚園や保育学校を設立したり、子どもの重要性や教育の本を書いて啓蒙した先人の情熱と行動を理解して、心から感動した。
また我が国も明治維新以降、多くの先人が貧しい子どもたちのために孤児院や保育施設や幼稚園を創設したり、知的障害児や心身障碍児のための施設を設立した。まだ子どもや障害児への理解がない時代に、新たに仕組み作りや資金面で、大変な苦労があっただろうと推察される。
「保育原理」を学んで
保育原理は九科目の筆記試験の基本中の基本であり、保育の基礎を学ぶ。保育とは何かから始まり、保育所の役割り、保育所が目指す児童の権利、保育所にとっての憲法と言える保育所保育指針や児童福祉施設の設備と運営の基準を十分に理解する必要がある。
そして欧米や日本の児童福祉施設や保育施設の先駆者の苦労を学ぶことができ、また今まで保育について知らなかった多くのことを理解できて感謝したい。社会福祉や児童家庭福祉と重複する内容があるので、しっかり学ぶことが大事である。