不倫現場を目撃してしまい…身辺調査会社が明かした衝撃の真実

 

不幸な結婚生活

直美の勇気ある行動のおかげで、大事に発展しなかったことを私は感謝した。

けれど、直美は感謝の言葉を聞いた後に、こう返答してきた。

「お母さん、雄二が行動しようとしたことは、1人の人間としては許されないことだけどそうしたいと考えるのは、やはりここの普段の生活が異常なのが原因だというのは理解できるわ。もし、雄二がいなくて実子が私1人だったなら多分、同じ行動をしたいと考えても不思議ではないもの！」

私は、その答えを聞いてどう返答するのが正解なのか、非常に悩んだ。私の父親は、一般的に言う理想的な父親だったので、世の中の父親になる人は全員が自然と自分の父親みたいになっていくものなのだと、信じて疑っていなかったからである。

赤羽光夫みたいに、自分の父親とはまったく真逆の性格および行動をする男を理解できないのに、法律上は夫として、直美と雄二の父親として、付き合っていかなければいけないのが現在の状況であり、子供達には私の幼少時代に体験した父親に抱いた感情の記憶の中から、アドバイスしてやれる事がほぼ皆無だった。

けれど、母親として子供達の精神的支えおよび経済的支えになってやることが、唯一できるアドバイスだと信じて、これからも発生する難題を真摯に受け止め、私なりに解決していこうと自分自身で決心して、今回の直美からの返答に対して返答しないで会話を終了させた。

私が直美に雄二の行動を聞いた日から数日後の夜、夫がいないのを確認して雄二と2人きりで、今回の事件について言いたい事などを聞いてみた。

すると、次のように返答してきた。

「僕がやろうとした事の詳細は多分、直美姉さんから説明があったと思うので母さんには単刀直入に言うけど、僕はあの男を家族とは認めていない。一緒に生活したくない。このアパートから3人で引っ越ししよう！」

直美が言ってきた同じ返答をしてきた。私も、直美の時と同様の返答をすると、雄二はこう私に言い返してきた。

「僕が自分の父親と認めていない男を、母さんはまだ自分の夫だと認めているの？」

「認めてはいないわ！　ただ経済的余裕がないのと、あなた達に片親の寂しさを感じさせたくないの」

「僕達の幸せを考えているのなら、すぐにあの男と離婚して下さい。それ以外に、解決策は無いのだから！」

私は、その言葉を聞いて再び非常に悩んだ。そこである平日の午後、弁護士の仕事をしている姉の明美に相談するため実家に行った。そして、今までの経緯とこんな状態で、夫と離婚する事が可能かを質問してみた。すると、姉は私にこう返答してきた。

「今までの話を総合して考えると、ひろみと直美ちゃん達は離婚することを希望しているけど、夫は離婚したいとは思ってない状況なのね。そして、あなた達は言葉などで精神的苦痛を与えられたり家庭内暴力で肉体的苦痛を与えられたり、経済的支援が少なくて生活するのに非常に苦しみながら、現在もその夫と一緒に生活をしている。

そして、精神的苦痛を与えられたと証明できる証拠なども無い。これだと、夫と離婚できる確率は非常に低いと思う。もし、夫に不貞行為があったと認められる証拠があるとかなら、離婚できる確率は非常に高くなるのだけれど」

姉はそう言って、残念な表情をして私を見つめてきた。

母親も苦しい事があるなら何でも相談しに来なさいと言ってくれたが、現状の私にはどうする事も出来ない事が分かり、2人の姿が見えなくなってから車内でため息をついてアパートに戻った。