親睦委員会(花見例会)

その後も金沢百万石ロータリークラブとの濃密な関係は続き、五年後の三月、いよいよ長野新幹線が金沢駅まで延伸するときがきた。名前は長野新幹線から北陸新幹線に変わったが、僕らにとっては金沢がより近づいたような名称だとして歓迎した。

そのとき、僕は高崎ロータリークラブの会長になっていた。うちのクラブでは、幹事を務めるとほぼ自動的に五年後の会長就任が約束されるという不文律がある。それゆえ、自分の会長年度を華やかなものにするためには、五年前の幹事年度時代から先を見越した計画を立てておくことが求められる。

一番大切な会員増強もそうだ。自分の会長年度に会員増強を果たしたければ、何年も前からその準備(事前の勧誘)が必要だということだ。それを怠った会長には会員増強の果実はもたらされない。それゆえ自分が勧誘した新会員たちによる自分への求心力は生まれないのだ。会長を務めたあとは寂しいパスト会長13になっていくのは必然だ。

13:クラブ会長を経験した人をパスト(Past)会長と呼ぶ。

このロジックは日本を代表するロータリアン、元RI理事のOK氏からも聞いた。OK氏のクラブでは五人以上会員増強のできなかった会長を「ゴクツブシ」と呼ぶ、という恐ろしいことを聞いた。せっかく会長になるのだから、「ちゃんと準備をしなさいよ」という無言の圧力が就任前の会長を奮い立たせるのだろうと思った。話を戻そう。