理論とアイデアと時間を尊重すること

ホンダがホンダであるためには、常に「先進」であることが必要です。

そのためには、理論に裏付けられた新しいアイデアを生み出し、最も効果的で効率の高い方法を考え、それを実践することです。わたしたちの行動には理論の裏付けがあるべきです。

わたしたちは、しばしば日常の仕事の仕方が理論に基づくものであるべきだということを忘れてしまいがちです。しかし、日常行なわれている仕事のやり方と理論とを混同してはなりません。

日常のやり方を常に振り返り、その裏付けとなっている理論を理解するように努めてください。そして、理論にもとづいた新鮮なアイデアで現状にチャレンジし、あるいはこれを変えることを恐れないでください。

新鮮なアイデア、フレキシビリティ、創造性、そして革新があってこそ、ホンダは先進であり続けることができます。また、時間は限られた資源です。

この資源をいかに有効に使うかが、仕事の効果・効率を高めるためのカギです。そのためには、シンプル・集中・スピードの3つの取り組みが重要です。

(1)シンプル

考え抜いた物事の本質、やらねばならないことの真髄をつかむ

(2)集中

最も大事な目標を達成するために最も必要なことに資源と思考を集中する

(3)スピード 迅速な実行

時間を尊重するという考え方にはまた別の要素もあります。それは時間通りに物事を進めるということです。物事にはすべてタイミングというものがあります。

例えば、レースにおいて、マシンとドライバーがわずか1分でもスタート時刻に遅れたとしたら、そのチームは出場権を失い皆の努力はムダになってしまいます。わたしたちの行なっているあらゆる企業活動には決められた日程があります。

時間を最も効果的に利用するには、準備を整えスケジュールを守ることが大切です。