今井さん編
カツオ味噌を食べながらゆりが、
「教えてほしい事があるの。いいかしら?」。
「何?」
「あげまんって、何?」
僕は味噌汁を吹き出しそうになった。こんな朝から。
「どうしたの、急に」
「前の人に何度か、君はあげまんだと言われたけど。教えてもらえなくて、聞かなくていいしお姉さん達や友人達にも聞いたら駄目だよと言われていたの。私の体って人と違うの? 変なのかなと心配なの。俊さん、私、どうだった。はっきり言っていいから教えてほしい」
「そうか~わかるような気がするなぁ~。誰にも教えたくないから、はっきり言って人と変わっているよ」
「ええー!」
「とても素晴らしいよ。もう君から離れられないよ。責任とってね」
「どういう意味?」
「体も相性が最高の相手ってこと」
「良いって事?」
「そうだよ。ゆり、僕はどうだった?」
「いやだ~。恥ずかしい」と顔を赤らめている。
笑ってしまいそう。堂々とあげまんの話をした後なのに。ゆりが可愛い。
「私、昨日あんなに感じちゃったの、初めてだったの。こんなに素敵な夜があるなんて。私から求めちゃうかも。うふふふ」
手で顔を隠した。
何! 又、ムラムラしそうで怖い。
午前中、ソファーで私の膝枕でうとうとする俊さんが可愛い。顔を撫でながら小さな声で、
「愛している」。
「僕も」
「起きているの?」
「寝ている」
「いやだ~」
今日は、夕方から友人の近藤さんと予定が有るそうで、
「お昼済ませたら帰るね」。
「だめ! どこかでランチ済ませて、行きたいところがある」
「私も一緒に?」
「そうだよ」
「分かった。準備しましょう」
昨日のジュエリーコーナーへ。
「僕は決めた。婚約指輪を買う。いいでしょう? 左の薬指も君のすべてを僕の物にしたい」
「ええ、嬉しいです」
ダイヤの指輪と、ペアリング。
「とっても素敵です」
「これにしよう」
サイズを合わせて二週間後に出来るようだ。何と金額が凄かった。五時頃別れた。