そのような状況を打破すべく、学問の世界では学際的な学問が試みられているのですが、真に求められているのは個別分断化された学問を統合することであり、その鍵を握るのが、哲学と経済学なのです(図表1)。
現代の学問では文明について書かれた本、文化について分野ごとに書かれた本はあるものの、それを一体に扱ったものはないのです。
そもそも文明の定義を明確にした学者はいないのです。私は拙著において、「文明=文化+生産基盤(経済)+歴史・風土」と定義し、現在の学問分野として、絵画・建築・都市・文学(含む、演劇・音楽)などについて考察しました。その中で哲学と経済学が専門分野の一つの学問に押し込められている現状に疑問を感じていました。
哲学と経済学について本来占めるべき位置を図に示してみます。このような観点に基づき新しい哲学及び経済学を生み出す必要があるのです(図表2)。