『キャプソンスーパーテニス』本大会の別名である。スポンサーはカメラとОA機器メーカーの最大手キャプソン。野球やサッカーのスタジアム名にオーナー会社の名称が付くのと同じような構造だ。
キャプソンは後々テニス文化が日本に根付くと睨み、本大会のスポンサーになるべく、前々からATPに打診していた。言わば今年の開催は、来年からの予行演習の様な位置付けになっていたのである。
キャプソンの一連の長期戦略の枠組みの中で中井は祭り上げられていた。それが先の中井のキャッチフレーズである。
カメラの被写体として、CMのパーソナリティとして当時の中井は格別だった。
「大学三年、爽やかな青年がアマチュアとして初優勝! 大会終了後にキャプソンが正式スポンサーになって晴れてプロ契約」これが主催者が描いた青写真だった。そして大会が始まる。