クロージングまでは、通常長い道のりがあります。それは①~⑦までのプロセスを辿るには、日程調整、移動が伴うからです。

提案を受ける側からすれば、せっかく「遠いところ」足を運んでもらうので、「しっかりした時間枠」を用意しなければならないと考えます。そのため日程調整がうまく整わず、日程調整だけで、1週間、2週間とかかってしまうことがあります。

さて、「①はじめて出会って名刺交換する。」については、政府は「新しい生活様式」として、名刺交換をオンラインで行うことを挙げています。

今後急速に、オンライン初対面が多くなるでしょう。しかし、やはり初対面と名刺交換については、新型コロナ終息後は、リアルな名刺交換に戻る可能性が高いでしょう。

最初の印象については、「解像度の高い」かつ「醸し出す雰囲気」をより正確に把握したいという思いがあります。若い世代には、抵抗なくオンライン初対面という文化が浸透していくでしょう。

次に「②雑談する。」はどうでしょう。オンライン飲み会が流行ったことでもわかるように、オンラインで雑談は、何の問題もなくできます。雑談が盛り上がるか沈滞するかは、参加者あるいは進行役の力量に依存します。

オンラインによる初対面でも、顧客がその内容によって感動することは十二分にあり得ることです。

「③会話の中で、相手方のニーズがわかる。」オンライン雑談の中で、お互いの関心事とか顧客の要望事項は明らかになります。顧客が何を考え、何を悩み、何を実現したいかは、オンライン会議でも問題なく把握することができます。

「④ニーズを満たす提案をする。」顧客に提案するために、これまで提案者は会社でチームをつくり、長い時間をかけて、入念に準備し、資料をまとめ顧客にプレゼンをしてきました。

分厚い紙の資料を用意し、1枚1枚丁寧に説明するという方式が長く続きましたが、時代遅れになるでしょう。資料はむしろ少なく、図表やイメージを使った簡潔な資料をオンライン画面の中で表現する。

顧客の視点が画面に注がれ、理解度が増す可能性が高くなります。グラフ、音声、動画を駆使することができますので、印象が強くなるでしょう。

「⑤提案内容について、繰り返し議論する。」提案内容は、対話という吟味によって煮詰まっていきます。実はこのプロセスが最も長いといえます。

「⑥ニーズを満たす基本的な合意が成立する。」長い対話を経て、提案内容の合意に達します。

長い道のりを経て、「⑦契約を締結する。」ことになります。