講習会

9月23日の土曜日、絶好の行楽日和である。山田部長をはじめとする6名は、JR中央線の御茶ノ水駅聖橋口の改札を出たところに集合した。土曜日で休日のためか、サラリーマンや学生の姿もほとんど見掛けず、いつもの賑わいはなかった。ニコライ堂の前を通り過ぎ、しばらく歩いたところにあるビルの中の会議室が本日の会場である。

講習会が始まるまでまだ30分ほどあったが募集人員40名のところ、半分程度の参加者が既に席に着いていた。参加者の様子を見るとほとんどが2名から4名の同じ会社のグループのようである。

定刻の10時、ブレークスルー・コンサルタントの司会者が参加者の前に立ち、開会の挨拶を始めた。

〈司会 〉おはようございます。本日は休日にもかかわらず多数の方に弊社のセミナーにご参加頂きまして有り難うございます。今回のセミナーはご案内の通り、企業様において「年次業務計画」「利益計画」を立てるとき、従来の延長線上で立案するのではなく、敢えて『段差』のある計画を立て、それを実施するための手段を明確に計画していこうというものです。第1日目の午前中は基本的な考え方と2日間の全体の流れについて解説いたします。午後から明日の5時頃までに皆様方がお持ち下さいました課題を基とし、演習を通してまとめ上げて頂きます。本日の終了時間が20時頃と長丁場になりますが宜しくお願いいたします。それでは今回の講師を務めます原田健をご紹介いたします。

一番後方の席に座っていた講師の原田は、片手に資料を持ち正面に立った。

〈原田 〉改めましておはようございます。

〈一同 〉おはようございます。

講師の原田は簡単な自己紹介と2日間のカリキュラムの概要を説明した。

セミナーの本論に入る前に原田は、セミナー参加者がセミナーの申し込み時に提出していたアンケート、『現在抱えている課題』についての解説から始めた。