②集中力が増し、会議の質が上がる
オンライン会議によって、膨大な移動時間の短縮ができるだけではありません。
オンライン会議を体験した多くの人が、集中できるといいます。電話で長話をする人がいますが、電話では伝えたいことの一部しか伝えることができません。
オンライン会議には隠れた大きな可能性があります。議論の質が深くなるのです。これは理性を妨げる、さまざまな要素が目立たなくなるからです。
騒音、雑音、息づかい、話し方など人のわずかな動き、表情の微妙な変化、書類の質感、湿度、温度、空気の流れ、明るさといった無数の要素が気になり、集中力を妨げている可能性があります。
オンライン会議では、理性の邪魔をするこれらの要素が捨象されます。骨格となる重要な要素にのみ集中できるのです。
私たちの情報処理が視覚で処理することと関係しているようです。
私たちの情報能力は「視覚が83%、聴覚が11%、臭覚3・5%、触覚1・5%、味覚1・0%」(出典:「五感による知覚の割合」産業教育機器システム便覧 教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)で視覚が最も活発に働いています。
他の調査でも視覚87%(出典:「屋内照明のガイド」照明学会(著)電気書院 1980)となっており、私たちの思考は目に入る情報に最も左右されます。
したがって、人に会って話をしなければ、ものごとは進まないと感じるのです。
これから研究が進んでいくと思われますが、実際の会議に映る人の姿は3次元で、人以外にも私たちの目の前にはさまざまなものが映ります。