小説 『あら、50歳独身いいかも!』 【第3回】 武 きき 帰ろうとすると「ダメだ。もう僕の物だ」――キスで唇をふさがれ終電にも間に合わずそのまま… 【前回の記事を読む】10歳年下の彼から突然の告白。戸惑いつつも相手を試すように口にした「私を○○○みる?」その言葉とは…はぁ~とため息が出る。久しぶりに男の匂い。ゆっくりベッドを出て、シャワーへ。「涼真君、私帰るね。終電に間に合うから」「ダメだ! 帰らないで。泊まって!」「何言っているの! 着替えも無いし。帰る……」ベッドに引っ張られ涼真君の腕の中。「ダメ。明日休みだから買い物行って、映画も見よ…
小説 『九頭龍王 オホト』 【第4回】 森長 美紀 越大王オホトには八人の妃がいて、しかもどの妃も自身の子供を王族・社会の一員として育てている 【前回記事を読む】手白香姫の身が危うい――用心のため男装させたが姫の美しさは人を惹きつける。金村は意を決し越王オホトへの謁見を請うた…弥生の三日目朝方、陽が湖面を照り返している。金村に手を引かれ、馬車から降りてきた手白香姫、一斉に目が注がれた。金村と並んだ彼女の姿は、大和豪族の長にふさわしく、凛として咲く花の如く初々しい美しさを印象付けるかのような、白地に金の縁、襟元は朱色の神々しさである。「大…