あるいは、四国の『百名山』を連続登頂した際にも、私の腕が活きました。先に徳島の剣山に登頂し、その後愛媛の石鎚山にも登ろうという計画です。2人の知人女性を含む4人パーティーで、天候や体調次第では、どうにでも転びかねない。最悪の場合には計画そのものが頓挫する可能性だってあるし、旨くすれば両方をゲットできる。あらゆるケースや状況に素早く対応できるよう、万全の作戦と気構えで臨む以外にありません。
行きの航空券の予約や、徳島に着いてからの鉄道での移動やタクシーの予約に始まり、その時その時で臨機応変さが必要でした。何とか剣山の登頂を果たし、その後はタクシーと鉄道で移動し伊予西条へ。ここにホテルを取り、翌日には石鎚山へ。登山は日帰りで、無事結果を残して下山したら、まずは帰りの松山空港からの飛行機の切符を購入し、伊予西条のホテルで予約を入れておいた道後温泉へと向かいます。天候に恵まれたとはいえ、節目節目で優先項目にしっかりと対応し、これといった失敗や滞りもなく、正に完璧な試合運びでした。
時には気まぐれで、計画とは違った方向へ足を延ばしたり、寄り道や道草をすることはありますが、それも計算のうちです。登山の場合には、計画書と異なる行動をすると、万が一遭難やトラブルなどが発生した時には困りものですが、そうした補助プランもとりあえず添えておき、計画書や頭の中にしたためておけばぬかりないでしょう。
心変わり、もしくはやむを得ない理由や事情で計画変更を迫られたとしても、思いがけない拾いものができることがないとはいい切れません。計画通りに行動していたらあり得なかった事象・現象、そうしたものを自らの手の平で受け止められるかもしれないのです。思いがけない収集物、それが旅の価値を高め、深めるかもしれないし、その旅を輝かせ、彩りあるものに変えるかもしれないのです。