うちなる子供
「君のうちなる子供のことを忘れないで。喜びを、助けを、愛を求めて叫ぶ君のうちなる声を。助けようとし、喜びを、愛を示そうとする心を。小さいけれども、そのたぐいまれな純粋さにおいて優れたこの友達を、光の天使を、小さな光の天使を忘れないで。
ぼくは愛されたい、抱きしめられたい、かわいい名前で呼ばれたい。それはちっともエゴじゃないよ。ただ、愛が好きなだけ、喜びが好きなだけ。ぼくの中のいのちと笑いの泉が涸れることはけっしてない。
ぼくは、君の存在の究極の目的だ。ぼくは、君の動きの最初と最後に動く存在だ。君の中では何が光で、その光は君のどこにある? その光はぼくの心で、ぼくの心の中にあるんだ。
ちっちゃな炎が他の人を元気にすることができるし、あわれみと思いやりのほんのひとことで心をつくることができるよ。君の周りの子供たちを見てごらん。彼らには導いてくれる人が必要だ。彼らをわかったうえで導いてくれる人が必要だ。
愛の心で導いてくれる人が必要なのさ。そして、その導き以上に大切なのは、どのように導くかだ。行動すること、そしてどう行動するかが大切なのさ。考えや行動を計画実行する時って、どんな気持ち? どんな気持ちで行動にうつすの?
愛の心? 気遣い? 思いやり? わが身を忘れて? 子供たちはみんな、そういうことを尋ねているよ。
彼らは、安心していたいのさ、守られていたい、抱きしめられていたいのさ。だから、フォール、子供たちを導いてよ。先導してよ。彼らは『新しい』世代だ。とっても大切な世代だよ。
ぼくらは、プロペラであると同時にステアリングだ。背中を押しながら、前で引っ張るんだ。君のうちなる子供で、君の中にいる子供のぼくは、無垢の子供、嬉しい子供で、言いたいことがいっぱいあるよ。
君の中にいる『ぼく』は、子供たちを引っ張って行きたい、子供たちの心を癒したい、そして、開かれた素晴らしい道を、それを選んだすべての子供たちに示したいんだ。君の羽を広げて、優しいぼくの力を全身に感じてごらん。
ぼくは笑い声を君に残して行きたい。笑い声は心に喜びを届け、身も心もゆったりさせてくれ、魂を豊かにしてくれるからね。ぼくらは探究者だ。いつもいっしょのね」
フォールの脳裏に笑い声を残して、そのうちなる子供は去っていきました。
フォールは、ひとり静けさの中で、これらのことを考えました。フォールはこのエネルギーを、うちなる子供を、
「愛と喜びと笑い声で子供たちを助けよう」
という話を、いいなと思いました。
そうです、これこそ、自分にできて、自分が関われることだと彼には思えたのでした。子供たちを、「新しい」子供たちを助ける方法があると、うちなる子供は言いました。そうです、その考えが彼の心をとらえたのです。
そうすれば、どんなに世界は変わるでしょうか?
新しい子供たち、新しい世代、新しい子供たち、新しい子供たち……。
そんなことをとりとめもなく考えながら、フォールはいつしか眠りに落ちました。そして、世にも不思議な夢を見ました。